※本稿は、ブレンドン・バーチャード『世界3万人のハイパフォーマー分析でわかった 成功し続ける人の6つの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。
何をするにしても、その理由を逐一語る
ハイパフォーマーたちは、自分の目標とその大義を秘密にしたり、黙っていたりしない。目標を、自身に対しても、他者に対しても、堂々と標榜する。
必然性に関する行動で、ハイパフォーマーとローパフォーマーの違いが最も大きいものを1つ挙げるとしたら、これである。ローパフォーマーは、目標の理由を明確にしていないことが多いし、それらを標榜するどころか、口にすることもない。
標榜とは、何かを宣言したり、それが正しいことを断言あるいは確認したりすることを指す。「○○は○○だ」「○○が起こる」と自信を持って言い切るのである。
ハイパフォーマーは、そのように、自分の目標とその大義を語る。歯切れの悪い話し方はしない。自分が努力をする理由に自信を持ち、パーパスに誇りを持って伝えてくる。
私が見たところ、ハイパフォーマーたちは、何をするにしても、その理由を逐一語るのが好きだ。たとえば、アスリートのハイパフォーマーは、自分のトレーニングや、とりわけ、その日、その運動を選んだ理由を、嬉々として、メニューの内容説明と同じくらいの時間をかけて説明してくれる。
「今日は身体のバランスが崩れている気がしたので、スクワットを75パーセントの負荷で3セットやっています」というように。
ハイパフォーマーたちのコーチングを始めた当初、この人たちは外向的でビッグマウスなだけなのか? それとも、一種のカリスマ性を持っているために、語っている行動理由が人より立派に聞こえるのか? とよく疑問に思ったものだ。
だが、そのどちらも間違っていた。性格とハイパフォーマンスに相関性はない。内向的な人がハイパフォーマーである確率は、外向的な人と同等なのだ。