新規事業を常にオーナーが1人で立ち上げ続ける
ここで「現業が忙しいから新規事業には手をつけられない」と言ってはならない。
既に書いた通り、1事業の寿命は長くないのだ。
現業だけを優先し投資活動でもある新規事業に取り組まないスモビジオーナーは、長期的に見れば自分を追い込むことになってしまう。
既存事業で儲けながら余裕がある間に新規事業開発に取り組む。
常に両輪で取り組んでいくべきだ。
問題はある程度大きな組織になってきた場合だ。
1人でやっている間は、既存事業と新規事業のバランスを取りながら取り組むことは比較的やりやすい。
しかし、これが組織になると途端に難しくなる。
想像してみてほしい。
眼の前に儲かる事業があり、それに取り組めば給料が増えて社内での地位が上がる事業がある。
横には儲かるかどうかも分からないし、失敗すれば社内での地位が下がる事業がある。
合理的に考えて、会社員の立場であればあなたはどちらを選ぶだろうか。
これはオーナーが長期的な目線を持って保ち続ける必要がある組織課題なのだ。
スモビジの場合、この既存事業を重視しすぎるという問題は、スモビジオーナー個人の努力で克服するべきだ。
スモビジの立ち上げは基本1人。
それは社員が30名いても変わらないのだ。
新規事業を常にオーナーが1人で立ち上げ続ければ、会社はバランスを保てることになる。
このあたりの詳細については本書の本題から外れるため、興味のある人はぜひ『両利きの経営』(チャールズ・A・オライリー/マイケル・L・タッシュマン著、入山章栄監訳、渡部典子訳、東洋経済新報社、2019年)を参照頂きたい。
この本では絶え間ない事業の改善と新規事業の探索とのバランスを保ちながら、どう持続的な会社経営をするかが解説されている。
■取り組む際には自分の性格・強み・市場環境を考慮しなさい!
■参入検討の際に定量的な計算を行いなさい!