安定・着実に儲かるスモビジで検討すべき4つの課題
このシミュレーションを行ってみた結果、「ダメージは自分が許容出来る金額に抑えられる一方で、満足出来る程度の儲けが見込める」ということであれば手をつけ始めるべきだろう。
スモビジの場合、ダメージを受けたとしても自分が許容出来る範囲にコントロールすることが重要である。
スタートアップと異なりハイリスクであっても限界までスピードを速めていくというやり方ではない(参照:『ブリッツスケーリング』リード・ホフマン/クリス・イェ 著、滑川海彦/高橋信夫 訳、日経BP、2020年)。
スタートアップの戦略とは平たく言うとリスクを許容し、スピードを優先するというものである。
ほとんどが潰れたとしても1つ大成功すればよいのだ。
しかし、安定・着実に儲かる状態でありたいスモビジは異なる考え方が必要になる。
遅くとも1つ1つの課題を順番に検証していくとよいだろう。
例えばあまり知見がない領域で自社ブランドを立ち上げるということであれば、同時に次に挙げるような課題を検証していくことになる。
・CPA(顧客獲得コスト)がX円以下で集客出来るのか
・原価Y円以下で製造出来るのか
・販売単価は年間Z%上げることが出来るのか
・継続率はW%以上に保てるのか
全てが成立しなければ事業が持続不能ということであれば、非常にリスクが高い取り組み方となる。
類似商品のマーケティングを受託し、その過程で学ぶ
課題の克服には時間と金が必要だ。
原価Y円以下で製造するということであれば工場探し、交渉、継続的な原価低減に向けた取り組みなどに時間と金がかかる。
課題の克服は当然ではあるが無料ではないのだ。
ビジネスを検討しており、克服するべき課題が多数あったとしよう。
そのような困難なビジネスに取り組むには相応の時間、金の準備があることが前提になる。
これがない状態で事業に着手し途中で頓挫すると費やした金と時間は無駄になってしまう。
スタートアップの場合はこれを外部からの資金調達により実現するが、自己資本経営を基本とするスモビジの場合は相当な準備期間を要することになる。
どうするべきなのだろうか。
それには複数の課題克服を同時に進めないことが重要だ。
例えばCPAがX円以下で集客するという課題を克服したいなら、類似商品のマーケティングを受託し、その過程で学べばよい。
こうすれば課題の克服をしながら受託で稼ぐことも出来る。
私の所感であるが、課題の克服には当初想定の3倍の時間がかかると考えるのがほどよい目安である(私が楽天的すぎるのかもしれないが)。
多くの課題が立ちどころに解決されていくという期待は、ほとんどの場合裏切られることになる。
繰り返しであるが課題克服には金と時間が必要なのだ。
それを織り込んで計画を立案するとよいだろう。