組織が成長するために、必要な人材を採用するにはどうすればいいか。美容室Dearsグループ代表の北原孝彦さんは「仕事のできる人は自分のやり方を試したくなり、いずれ独立してしまう。だから僕はFCオーナーを募る際に、やる気があって、そこそこの実績もあって、お店の業績を伸ばしてくれそうな人は絶対に採用しない。それとは正反対の、ボロボロの赤字経営で美容室を畳もうと考えている、人生に疲弊し切っている方を採るようにしている」という――。

※本稿は、北原孝彦『たった4年で100店舗の美容室を作った僕の考え方』(横浜タイガ出版)の一部を再編集したものです。

はさみ、くしなどの散髪道具
写真=iStock.com/Alexander_Volkov
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やる気があって、そこそこ実績もある人は採用しない

次にぶち当たった問題。それは「ブランド力」の問題でした。

FC展開をしようと言っても、そもそも当時のディアーズは2店舗しかなく、ブランド力がありませんでした。

ですから、FC展開をしようと思っても、そのためのオーナーを募るのは容易ではありません。

ブランド力がない中で、いかにしてFCのオーナーを集めるか?

それが、僕に課された次の課題でした。

僕がまず考えたのは、「どんな人なら、うちのFCオーナーになってくれるだろうか」という点です。

どんな人をターゲットに設定して、FCオーナーを募るべきか?

おそらく普通に考えるのは「やる気があって、そこそこの実績もあって、お店の業績を伸ばしてくれそうな人」ということになるでしょう。

でも、僕はFCのオーナーを募る時点で、「そういう人は絶対にダメだ」ということが明確に分かっていました。

いったい、なぜでしょうか?

なぜかと言うと、そういうタイプの人は、仮に1店舗目がうまくいくと、「2店舗目は自分のスタイルでやってみたい」という形で、どんどん自分の色を出そうとするからです。

そして、その姿勢はやがて離脱(独立)へと繋がっていきます。