「転職先のレベルが低い」はむしろチャンス

――入社したら、思いのほか「周りのレベルが低すぎてえてしまう」という声も聞きます。こういった場合、再度転職を考えがちですが、短いスパンで転職を繰り返すと職務経歴に傷がついてしまう気もします。一定期間は耐えた方がいいのでしょうか。

【徳谷】入社後に想定とギャップがあると残念に思いますよね。ですが、あまりにも安易なラベリングは危険なことも。高い低いというか軸が違うこともあるからです。新しい環境のため、自分には見えていない、もしくは重視していない面で他者のレベルが高いということもあります。まずは本当にレベルが低いのか客観的に見てみる必要があると思います。

例えば、コンサル出身の方などが「周りの頭が悪い」といった不満を持つケース。ただ、そう言っているご本人にも、コミュニケーションをないがしろにしているなど課題があることも結構あります。環境が変われば求められる能力が異なる前提でのアンラーニングも必要です。

本当にレベルが低いのかは客観的に検証してほしいのですが、とはいえ、本当にレベルが低いのであれば、逆に、チャンスと捉えて、自分がリードしてその組織をよりよく変えていけないか、あるいは他者にない自身の強みを生かしてより大きな価値を創れないかということをまず考えてみてほしいと思います。

それでも、やっぱり違うと思うのだとしたら、あえて縛られずに、少ない回数であれば転職もしてもいいと思いますが、安易な繰り返しは危険です。短期離職を繰り返すとジョブホッパー的に見られ市場からは敬遠されやすいのは事実です。

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重ねて、注意してほしいのは、ご自身が入社前に想定していた人のレベル感とギャップがあったという事実を受け止めることです。転職前の見極めをしないと、また同じことが起こるかもしれません。