「やりたいことは全部させてもらえる」わけではない

――人間関係も、レベルについても、実際に転職する前の見極めが重要ということですね。まれですが、「転職したら、入社前に聞いていた部署とは違う部署に配属された」というケースもあります。「話が違う」と困ってしまうと思うのですが、どうしたらいいでしょうか?

徳谷智史『キャリアづくりの教科書』(NewsPicksパブリッシング)
徳谷智史『キャリアづくりの教科書』(NewsPicksパブリッシング)

【徳谷】もし強いギャップを感じているのであれば、その配属に関わった人事の方や上長に相談した方がいいと思います。少し違う部署に配属されたことの裏にはいろいろな目的や背景があるかもしれないし、違うと思っていても、実際には、通じているところもあるかもしれません。

とはいえ、会社都合で所属予定だった部署がなくなるようなケースもあります。やむを得ず違う部署に配属されたのであれば、3カ月か6カ月程度など、一定までは、期限を切ってやってみてはどうでしょうか。その上で元々のWillや、成長したかったことと重ねてあまりにも違うと思うのであれば、その違和感を的確に伝え、「このままだとこの組織で働くことが難しい」と考えている旨を伝えた方がいいと思います。いきなりやめてしまうのではなく、事前にコミュニケーションを取ることが大事です。

30代以上だとこのような思い込みは少ないのですが、新卒や若手社員で時々あるのが、例えば、「事業開発できると思っていたのに、最初は営業配属だなんてありえない」というケースです。ただ、事業の現場を知らないと事業開発はできないという意図で営業に配属していることもあるので、そういった組織側の意図もあるかもしれません。

さらにいうと、全部が全部、自分の望む機会ばかり得られるわけではありません。仕事で成果を出し、力をつけることではじめてやりたいことができる機会が得やすくなると思います。はじめから「自分のやりたい機会は全部与えられて当然」と思い込むことは危険です。

仕事で使わざるを得ない環境に身を置く

――機会をつかむためには、まずは力をつけるということですね。ただ、もし、今の仕事と「やりたいこと」がかなり離れている場合はどうしたらよいのでしょうか。私にも、本当は外資で働きたいと考え、英語の勉強をしているものの「なかなか上達しないので諦めようか」と悩んでいる知人がいます。どうやって判断すべきでしょうか。

【徳谷】突き放すようですが、本気で行きたいなら勉強するしかないと思います。ですが、結局勉強だけをしていても必ずしも仕事で使えるようになるわけではないので、多少粗い状態でも挑戦し、「仕事で使わざるを得ないからインプットする」環境に身を置く方が成長は早いです。例えば、いま英語が流暢な方も、最初はそうでなかった方もたくさんいます。

外資で働いている人が周りにいないとのことですが、いろいろとたどっていけば誰かしら一人ぐらいはつながることができるはずです。少しずつでも行動して機会をつかんでいくことで人は成長していくと思います。

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