自分らしいキャリアを積み上げるには、どうすればいいのか。『キャリアづくりの教科書』(NewsPicksパブリッシング)の著者でエッグフォワード代表の徳谷智史さんは「次々と転職すればいいわけではない。たとえば『同僚のレベルが低すぎる』というのが転職理由であれば、本当にレベルが低いのかを客観的に見るべきだろう。もし自身の能力が飛び抜けて高いなら、その場にとどまったほうがが価値をつくりやすいはずだ」という――。
パソコンの前で頭を抱えている男性
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勇気が出ない人は「エア転職」がおすすめ

――「転職を考えているものの、勇気が出ない」という人は多いと思います。周りの人が転職するたびにうらやましいと感じても、さまざまな事情からなかなか行動できないこともありますが、こういった気持ちにどう向き合い、整理したらよいのでしょうか。

【徳谷】誰しもこうした気持ちはあるので自然なことだと思います。まず、うらやましいと思う背景や要素をちゃんと言語化した方がいいと思います。なぜうらやましいと思うのか、勇気がないと言っているのはどういうことなのか、もやっとしたものをちゃんと言語化して具体的にしてみてください。働く中で得たいものや優先的なもの、今課題に感じていることなどを全部でなくても洗い出してみるのもよいです。

気持ちを整理する上では、自身の価値や見られ方を客観視することも有効です。転職した場合、どのように見られるのかを確かめるために、「エア転職」をしてみることもおすすめです。

「エア転職」とは、実際には転職しなくとも、転職「活動」をすることです。フラットに向き合ってくれるエージェントに自分のキャリアはどう捉えられるのか壁打ちしてもらうのもいいかもしれません。相談相手は必ずしもエージェントである必要はありません。社内でも社外でも、本音で話せる人がいるようでしたら、まずはもやもやしているということからでもよいので、相談してみてはいかがでしょうか。