重い生理痛がある人がほぼ必ずもつ特徴
毎月の大量出血のために深刻な貧血も見られ、「当時はやたら氷を食べていた」と話していました。氷を食べたいという強い衝動があるこの状態は、「氷食症」と呼ばれる一種の異食症で、鉄欠乏性貧血のある女性に多く見られるものです。
彼女は生理痛や貧血でフラフラのまま、特に治療をすることもなく、負担の重い仕事を続けていました。そしてたまたま、担当した企画の取材で私のところへ訪れたのでした。
彼女の舌裏を診せてもらったところ、青紫に蛇行する血管がはっきりと見られました。これは、体が中医学でいう「瘀血」という状態にあることを示しており、重い生理痛がある女性たちには必ずといってよいほど見られる特徴です。血の巡りが悪いために、肩こりや頭痛があり、体温が維持できないことから、ひどい冷え性を持っていることもよくあります。その女性も、手足が氷のように冷たい状態でした。
自分の体が病的であることに自覚がなかった彼女は、驚きながらも、すぐに調剤した生薬を飲み、指導した生活改善を始めてくれました。その結果、数カ月でずいぶんと元気を取り戻しましたが、30歳を迎えたところで、「生理のたびに2、3日会社を休むことはとてもできない」とのことで退職し、フリーランスとしてマイペースに働くことを選びました。
その後、生理痛や過多月経もほぼ改善し、結婚して3人の娘さんを産みましたが、「あのときに退職していなかったら、体を壊していたと思う。こうして子どもを持つこともできなかったかもしれない」と話しています。