兼重親子が資本を握ったまま本気の改革ができるのか
このような展開になった場合、中古車販売の薄利多売を埋め合わせするために無理な拡大を図ってきた修理・整備事業そのものが、この先立ちいかなくなる可能性が大きいのではないでしょうか。
すなわち、同社は実質的に中古車販売に専念せざるを得なくなるのではないかと思われ、現状の店舗網と雇用を維持していくのが厳しくなることも想像に難くありません。そうなった時に規模縮小でどこまで持ちこたえられるかですが、今般の不祥事でのイメージダウンもあり、かなり厳しい状況が待ち受けていることは間違いないでしょう。
問題発覚後、創業家は辞任してもその息がかかった元専務を後任トップに据え、資本は引き続き彼らががっちり握ったままのビッグモーターにどこまで本気の改革ができるのか、この点はいささか疑問です。
保険金不正請求だけでなく、組織内のパワハラ、街路樹枯死の器物損壊など問題続出で、このままでは廃業、倒産までありえるでしょう。常識的には、まずは監視を強化するマネジメント改革、すなわち外部人材登用による経営陣の刷新、外部資本の受け入れなどから手掛けていかなければ、出口は見えません。
経営からは退いても株主として存在し続ける兼重親子は、この点をどう考え、どう動くのでしょうか。今回の不祥事の責任を本当に感じているのなら、6000人の従業員を路頭に迷わせないという最低限の責任は果たしてほしいものです。