宵越しの金を持たずに夫婦で散財、貯金はほとんどなし
“3ない”のうち、一番大きな問題は“金がない”ことだ。
中本夫妻は結婚した時に47歳&36歳の晩婚カップル、加えて淳子さんに子宮筋腫の既往症があったため、子供を持つことは半ば諦めていたそうだ。
勤務先へのアクセスのいい家賃の高い都心部のマンションに住み、ボーナスが出れば、年に2、3度ほど東南アジアや沖縄のリゾート地に飛び、休暇をエンジョイ(長男を受胎したのも、旅行先)。仕事上酒の付き合いが多く、2人とも食い道楽なので、しょっちゅう外食を楽しんだ。宵越しの金を持たず、貯金らしきものをほとんどしてこなかったのだ。
「iDeCoやNISAなどの類いもやっていませんでした。給与の一部であるライフプラン手当(企業型確定拠出型年金)から月々3万円を海外株式インデックスファンドとして運用しているぐらいですかね。うちは夫婦ともに、お金を増やすといったことがどうも苦手なので……」
しかし、この際そんなのんきなことは言っていられない。遅ればせながら、最近夫妻は節約や財テクなるものを始めた。
「まずはそれまで加入していた医療保険を大幅に見直しました。妻は出産時に心筋炎から心不全になってICUに入るという大病を患いましたが、健康保険の高額療養費制度のおかげで、治療にかかった医療費がほとんど戻ってきたからです。月々の医療保険もバカにならないので見直したわけですが、その分を自分が死んだ時に保険金がおりる短期の掛け捨て保険にまわしました」
学資保険は年齢制限で入れず、外貨型投資で貯蓄
お金がない問題で、頭を悩ませているのは、なんといっても長男の教育費だ。
高校まで公立、大学は私立文系に進学させた場合をシミュレーションしたところ、大学卒業までに最低でも約400万円かかると計算し、その額を貯めようと計画した。しかし、本人が中学受験や、大学が文系よりも授業料が高額な私立理系で大学院まで進学したいなどと望むかもしれないので、もっと余裕が欲しい。
また、学資保険に入れなかったのも想定外だった。保険料を払う中本さんの年齢が上限を超えてしまったからだ。そこで知り合いのファイナンシャルプランナーに相談したところ、学資保険の代わりに外貨型(ドル建て)の投資をするのがいいとアドバイスを受けた。
「学資保険は、現在のような低金利時代では運用実績があまり良くない。その点、外貨型投資はそこそこうまくいっています。しかし、まだ足りません」