「自分から感」を持てるようにサポートする
ではなぜ、自律サポートが、子どもに良い影響を与えるのでしょうか? それはズバリ、「自律性」が私たちの「心の三大欲求」の一つだからです。
「自分から感」を持てるようにサポートすることで、子どもの心が安定し、やる気や自信につながり、その結果、パフォーマンスも良くなり、「できる感」にもつながります。さらに、親が子どもに自律サポートを心がける上で、子どもの意思を尊重する姿勢を示すことができ、良い親子の「つながり」を育むことができるのです。
つまり「自律サポート型」子育ては、人間の「心の三大欲求」を全て満たして、子どもの心にポジティブな流れを作ってくれるのです。
うーん、なんだか腑に落ちない。たとえば、子どもに自分勝手にやらせては、協調性がなくなってしまうのではないか?
ここで注意すべきは、「自律心」は、「自分勝手」や「全く制限のない自由」を意味するわけではないということです。
「のびのび」と「自分勝手」は全くの別物
実際に、自分の意思で好んで周りと協調性を持ちながら他の人たちとコラボしたり、自分から納得した上で、進んで積極的にルールに従うことだってあるでしょう。
たとえば、赤信号で止まるのはルールだからという以上に、止まらないのは危険だと納得しての自分のチョイスなのです。ゆえに、「自律性」「自分から」と、「自由」「自分勝手」は全く別の概念です。
では逆に、子どもの自律を促したら、かわいそうだという見方はどうでしょうか? まだまだ周りの助けが必要な子どもが、誰にも頼らず自分自身でやるなんて、無理なのではないか。そんなふうに感じることもあるかもしれません。
こちらも、よくある疑問ですが、先ほど同様、「自律性」と「周りを必要としない」「独立している」などの考え方は区別して考える必要があります。
たとえば、自ら望んで人からの助けを得たり、自分で積極的に周りと協力して、やりたいことを成し遂げたりすることはよくあることです。そういった行動も自分からの意思に基づいた、自律的な行動といえるのです。