たとえ準備不足でも実行したほうが成功確率は上がる

だから「仮計画・仮実行」の気持ちで計画を立て、実行してみる。定期的に1年目標と社内外の状況を見ながら、2カ月単位で“行動”計画を作成する。直近の時間を大切に「今できること」にフォーカスしながら“考動”するほうが時代にフィットしているのです。

今、業績を伸ばしている企業の共通点、それはとにかく「動いている」、つまり実行力があることです。

パンデミックに直面したとき、台風に巻き込まれたかのように「過ぎるのをじっと待っていた企業」と「不測の事態の長期化も想定し、自分たちにできることは何かを考え、動いた企業」では、3年経って大きな差が出ています。後者のほうが成功確率は上がっているのです。

頭で考えていたことが、成功しそうなのか・失敗しそうなのかは、少しでも行動することで一定の結果が見えてきます。その結果に対し、次の手を打つ――。

頭で考えるだけで一歩も進んでいない会社と違い、歩いた数が違います。失敗に終わった一歩でさえ、その経験が再発防止に活かせるのです。

これを3年間も続けていれば、大きな差になりますよね。

「何が正しいのかわからない」「何をやれば成功するのかも見えない」、そんな唯一正しい正解がない状況の中での行動は、当然リスクも伴います。

それでも、成功と失敗を繰り返してきた企業にだけ、そのうちのいくつかが実を結び、現在の優位性をもたらしてくれています。

ユーチューバーさえ新興のTikTokを馬鹿にしていた

変化のスピードも実行力が重要視されている背景と関係しています。

例えば、YouTubeが出始めた頃、「あんな短い時間で素人が作った質の低い動画が流行するわけがない」と馬鹿にしているテレビ業界の人もいました。

実際は、10分、15分のすきま時間に気軽に楽しめるYouTubeがブレイクしました。今では人気のユーチューバーがテレビ番組にも出演しています。

その後、TikTokを始めとした様々なショート動画が増えてきました。このTikTokも出始めの頃、YouTube界隈で評価しない人たちもいました。「あんな短い動画で何が伝わるんだ」と。でも、瞬く間にブレイクしました。

写真=iStock.com/PonyWang
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