1年先が読めないからこそ「迅速+柔軟」な行動を重視
今の時代は、僕たちを取り巻く環境が大きく変わってきた影響で、特にこの実行力が重要視されるようになってきました。
銀行には3カ年計画を出している企業が多いと思いますが、3年先どころか1年先ですら正確に予測することが難しくなっています。
東日本大震災以降、日本特有の地震に代表される天災(地震・雨・台風・雪)で、計画変更をした会社も多かったはずです。
その後、2020年からはパンデミック、感染症の世界的流行が猛威を振るいました。
天災にしろ、パンデミックにしろ、これらを半年前に正確に予測し、準備をした企業はどれだけあったでしょうか? さらに追い討ちをかけるように戦争・円安・物価高……。
昔のような3カ年計画や5カ年計画を綿密に作ったところで、今は役にたちません。
こうした予測不能な中でも、業績を伸ばしている企業は存在します。
そうした企業に共通するのは、「綿密な数カ年計画」ではなく、1年計画をベースに短期(2〜3カ月)で行動計画を立て、実行しながら外的環境を踏まえて臨機応変に修正している点です。
つまり、成果を出している企業は、「熟考」ではなく「走りながら修正」しています。
「まずやってみてダメなら変える」くらいがちょうどいい
今までの計画の立て方や修正の仕方は、以下のような流れが一般的でした。
【昔ながらの一般的な計画の立て方・修正の仕方】
①1年後の目標と計画を入念に考え
②ゴールから逆算して各月の数字や行動計画を立て
③計画・実行は担当者任せ
④細かな進捗確認に力を入れず
⑤1カ月後に進捗確認。当初立てた目標や計画に基づいて修正・実行
今、成果を出している企業は、以下に示すように、一般的なやり方をしていません。
【成果を出している企業の計画の立て方・修正の仕方】
①1年後の目標と半年後の目標、取り組む重点項目を決め
②直近2カ月計画、特に1カ月以内は綿密に立て
③まずは実行してみる
④2週単位で実行できるように修正・改善を繰り返し
⑤2カ月後、社内外の状況を見ながら、先の2カ月の計画(1カ月以内は綿密)を立てて実行
1年計画でさえ綿密に立てることが徒労に終わるケースが増えました。
「時間をかけて計画を立てたのに、あっけなく変更を余儀なくされた」「退職者が相次ぎ、3カ月後の人員確保も困難」、そうした状況が、ごく普通に起きていないでしょうか。