いわゆる三党合意が締結される
2011年8月に、菅直人首相の退陣表明を受けて行なわれた民主党代表選挙で野田氏は代表に選ばれ、内閣総理大臣に就任する。
総理の椅子を手に入れた野田氏は、いよいよザイム真理教の本領発揮に打って出る。
2012年6月15日に、民主党・自由民主党・公明党の実務者間での協議で、社会保障の抜本的改革とその財源としての消費税率の引き上げについての合意を成立させたのだ。
いわゆる三党合意だ。
6月21日には、三党の幹事長会談が行なわれ、「三党確認書」が作成された。
この三党合意によって、消費税率は、2014年4月から8%、15年10月から10%に引き上げられることになった。
現実には10%への引き上げは、2019年10月に4年間延期されたが、三党合意による消費税引き上げは、最終的に完全に遂行されたことになる。
増税だけがタダ取りされた
財務省は笑いが止まらなかっただろう。
もともと自分たちに敵対する思想を持っていた政治家が、説教を積み重ねるなかで自分たちの信者になり、さらにそこから総理大臣にまで出世して、消費税増税というザイム真理教にとってもっとも重要な教義を実現したからだ。
ちなみに、消費税の増税分は、社会保障の改革に充てられることになっていたが、社会保障の細かな手直しはあったものの、医療や福祉、公的年金制度が改善されることはなく、むしろ改悪が重ねられた。増税だけがタダ取りされた形だ。
野田氏の「入信」はとてつもない政治不信を招いた。
「消費税は上げません、シロアリ退治が先です」と言って政権を奪取した政党が、シロアリをますます太らせ、消費税率を2倍にしたのだから。
これでは政治を信じろと言われても、何も信じられなくなってしまう。