動詞+ingは、正確に言えば「ただの進行形」

現在進行形とは何か?

この質問に対して、私たちは一般的に「ingのこと」と答えるでしょう。実際、現在進行形では動詞にingが付いた形が使われます。この考え方が定着してしまい、「ingは現在進行である」という固定観念を持っている人も多いですが……。

しかし皆さん、どうかお間違いなく。確かに、動詞にingが付いた形は現在進行形として使われますが、正しくは「現在の進行形でも使われる」ということをお忘れなく。

すべてのingが「今現在の進行形」であるわけではなく、直前の述語が「今」か「過去」か「未来寄り」かによって、ingは現在の進行にも過去にも未来寄りにもなれるのです。したがって、動詞+ingは正確に言えば「ただの進行形」であり、厳密には現在の状況を表しているときにのみ「現在進行形」と呼ばれるのです。

ある特定の時間を「囲い」で限定している

一つの例を挙げましょう。英文の「What do you do?」を日本語では「何してるの?」と訳しますよね。これには少し混乱するかもしれませんが、実際には「今この瞬間にやっていること」を聞かれているわけではありません。実際には「職業」について聞かれているのです。つまり、現在形の質問ならば、「普段、何をしていますか?」というのが質問の意図です。

では、単純に「ねぇ、今この瞬間、何してるの?」と聞きたいときはどうすればいいのでしょうか? そのような場合には、現在進行形で「What are you doing?」と質問すれば良いのです。

ingは、ある特定の時間を「囲い」で限定したものと考えることができます。

大事なのは、その時間のイメージが、今か過去か未来かではなく、まるで「その瞬間だけが切り取られたかのように」、枠のような「囲い」で限定されるということです。