※本稿は、ごく普通の外国人 がっちゃん『がっちゃん英語 キミに読ませたくて創った文法書』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
和訳は同じなのにニュアンスが異なる英語表現
英語には「have to」と「must」といった表現がありますが、これらの和訳は同じです。しかし、ネイティブスピーカーが話すときには、ニュアンスによって使い分けられることがあります。以下の英文を例に取って考えてみましょう。
① I’ll be back.
② I’m gonna(going to)be back.
これらの文では、戻ってくる計画が具体的に立てられているのはどちらだと思いますか? しかし、その前に、英語の「時制」に関する重要な点について説明したいと思います。多くの人が知っていると思われる概念ですが、実は私たちはその中で一番重要な点を見落としてしまっているのです。
「私は学校へ行きます」と和訳する不自然さ
そもそも、日本語と英語では、時制の感覚がかなり違います。しかし残念なことに、一般的な英語の授業で、この「感覚の違い」にまで踏み込んで教えてくれる人なんて、ごくごく稀なのです。であれば、知らない人が多いのも、ある意味当然なのかもしれません。
さらに衝撃的なコトを言いますと、皆さんの中には、実は「現在形」すらわかっていない人が非常に多い」可能性が濃厚なのです。
「何言ってるのさ! 現在形なんてわかってるよ。今のことでしょう⁉」と、反論を展開する人もいるかもしれません。確かにおっしゃるとおり「今」ではあるのですが、厳密に言うと「今」ではないのです。
皆さん、これまで生きてきて、英語の例文を見ながら不思議に思った経験はありませんか?
I go to school.(私は学校へ行きます。)
I go to church.(私は教会へ行きます。)
こうした例文を見て……「不自然さ」を感じたことはないでしょうか?
どういうコトかって、日本語で普通に考えてみてください。「私は学校へ行きます。」
こんなセリフ、言ったことあるでしょうか? セリフ自体が「それって、一体どういう状況?」って感じがしませんか? 「行くところです」とか、「行ってきます」ならまだしも、「私は学校へ行きます」なんていう状況、想像できますか?