佐藤孝幸さんからのアドバイス

弁護士、米国公認会計士
佐藤孝幸

1969年生まれ。外資系銀行勤務の傍ら1年の勉強で米国公認会計士の資格を取得。その後、米国の大手会計事務所に勤めながら2年の独学で司法試験に合格。著書に『「要領がいい」と言われる人の、仕事と勉強を両立させる時間術』ほか。

目標に長期・短期があるなら、意識すべきは短期目標です。人間は、遠い目標によって自分の行動を律することができるほど強くありません。長期で取り組む必要がある場合も、今日は何をするべきか、一週間後までに何を終わらせるべきかといった短期目標に落とし込み、そこに神経を集中させてください。

長期目標を短期目標に落とし込むとき、自分の能力を過信してキツめの計画を立てるのは危険です。目標を達成できないと、それがストレスになって計画自体を投げ出したくなります。仮に200ページの本を執筆するなら、1日4ページ程度の現実感のある作業量をベースにして計画を立てます。1日4ページなら50日間で200ページを書き終えられますが、突発的に仕事が入ったり病気になって作業できない可能性もあるので、バッファーを10日間取って60日間で計画を組むのです。

長期目標は、計画の途中で変更してもいいでしょう。時代はつねに動いているのに、過去に立てた目標に固執するのはナンセンス。現在の状況に合わせて、目標そのものを変えたり、リスケする柔軟さが欲しいですね。

(相澤 正、久間昌史=撮影)
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