>>細谷さんからのアドバイス

「上司(顧客)」はどのレベルを期待しているのか」確認する
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「上司(顧客)」はどのレベルを期待しているのか」確認する

目標の立て方は本の目次づくりに似ているかもしれません。長期的な目標が目次の大見出しにあたり、それを補うための短期目標が小見出しに相当するといえばよいでしょうか。

ここで大切なのは、「全体から」「結論から」決めていくことです。つまり最初に全体を見通して、「最終的にこうしたい」という長期目標を決定し、次にそれに沿って短期目標を決める。短期目標は最初から完璧に詰めてしまう必要はありません。空欄があってもとりあえず手を着け、できるところからつぶしていくという発想でよいのです。

顧客など相手のある仕事の場合は、目標設定を行う際に、相手の期待値を確認しておく必要があります。100点を目指すのはいいとして、自分が100点と思っているレベルが、相手にとって20点であったり300点であったりするのは珍しいことではありません。方向性のベクトルが違ってしまっているケースも少なくないでしょう。

そのため、仕事の途中でも目標に対する相手の期待値と方向性を確認しながら、必要に応じて微調整を行っていくのが、失敗を回避するコツです。いったん未完成の状態で相手に見せ、反応を確かめてから最後の詰めを行えばよいのです。

初めて仕事をする相手とは、このすり合わせがとくに大切です。そればかりでなく上司と部下の間でも、お互いの期待値と方向性の確認という習慣をもつようにすれば、日常的な仕事のムダも切り捨てることができるでしょう。