>>内藤さんからのアドバイス

物事は最初から全部を完璧にやらなくてはいけないと思うと、気が重く感じられてなかなか手が着けられないものです。

学生時代、テストのためにシェークスピアを原文で200ページ読まなくてはならないことがありましたが、要領のいい友人を見ていると精読などせずパッパとページをめくって、重要と思った個所に線を引きながらとにかく最後まで読んでしまう。翌日と翌々日も同じことを繰り返し、最終的に3回線が引かれたところがヤマと判断してそこだけを勉強していたのです。もちろんヤマが当たるとは限りませんが、これならおっくうさが軽減されるし、最初に全体を見通すことができるので自ずと優先順位が決まっていく。仕事でも広く応用できる方法です。

たとえば講演用の資料をつくるときがそうです。私が1時間の講演で使う資料はパワーポイントで8枚程度なので、まず1枚の紙を8つ折りにして、1マスを資料1枚だと考えてみる。あとはその紙を持ち歩き、8マス全部をどうやって埋めていくかをスキマ時間に考えて、思いついたときにメモしていきます。投資の話をここに入れたいから、その次は裏付けデータを入れようといった具合に、全体を見通しながら進めていき、最後に清書すれば出来上がる。

(石田純子=構成 相澤 正=撮影)