>>新さんからのアドバイス

「願えば叶う」といった言葉がありますが、これを「願望さえもっていれば物事がその通りに運ぶ」と解釈すると、実現はおぼつかないでしょう。

大切なのは「願望」を「目標」に置き換えること、そして目標を長期と短期の2本立てで設定することです。「会社の経営を司る人間になりたい」「ゆくゆくは起業したい」といった長期の目標は多少漠然としていても構いません。何年も先のことをいま具体的に決めるのはムリがありますし、外部環境が変わる可能性も大きいからです。

半面、短期の目標は「何を」「いつ」「どこで」「どのようにして」を意識して具「願えば叶う」といった言葉がありますが、これを「願望さえもっていれば物事がその通りに運ぶ」と解釈すると、実現はおぼつかないでしょう。

大切なのは「願望」を「目標」に置き換えること、そして目標を長期と短期の2本立てで設定することです。「会社の経営を司る人間になりたい」「ゆくゆくは起業したい」といった長期の目標は多少漠然としていても構いません。何年も先のことをいま具体的に決めるのはムリがありますし、外部環境が変わる可能性も大きいからです。

半面、短期の目標は「何を」「いつ」「どこで」「どのようにして」を意識して具体的な内容にすることが大切です。「経営知識を身につけるために今年1年で会計を勉強する」「海外でビジネスを行うために英語を勉強し直す」などアクションプランの形にするとよいでしょう。このような具体的な短期目標をこなしながら長期目標を目指せば、目標の達成率は格段に上がるはずです。

目標の定期的なチェックも必要です。少なくとも年2回、プランがこなせているかどうかを振り返って、うまくいっていればそれでいいし、そうでなければ原因を考えてみる。うまくいかない原因は次の2つに集約されます。「目標設定が高すぎる」か、「目標は適切だが、やり方が不適切」か。原因が明らかになったら修正を加えてまた走りだす。企業のマネジメントと同じで、計画、実行、検証の繰り返しが結果を生むのです。

時間は自己実現をはかるために最も重要な資源の一つです。別の言い方をすれば、1日24時間、1週間では168時間という誰にでも平等に与えられた資源を上手に使うことが、人生の満足につながるといえるでしょう。

細谷 功●ザカティー コンサルティングディレクター


1964年生まれ。東京大学工学部卒業。東芝でエンジニアとして働いた後、アーンスト&ヤング・コンサルティング(ザカティーコンサルティングの前身)に入社。専門は業務プロセス改革、組織改革など。著書に『地頭力を鍛える』などがある。
齋藤 孝●明治大学教授


1960年生まれ。東京大学大学院博士課程修了。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。深い呼吸の力により集中力を取り戻すための方法を説く『呼吸入門』など著書多数。近著は『坐る力』『新訳 学問のすすめ』など。
新 将命●国際ビジネスブレイン社長


1936年生まれ。早稲田大学卒業。シェル石油を経て、日本コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソンなどのエクセレントカンパニーにて、社長、副社長を歴任。2003年より住友商事など数社のアドバイザリーボードを務める。近著に『リーダーの教科書』。
(石田純子=構成 相澤 正=撮影)