▼藤井さんからのアドバイス

<strong>アンテレクト代表取締役社長 藤井孝一</strong>●1966年、千葉県生まれ。慶應義塾大学文学部卒。大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家の経営コンサルタントとして独立。著書に『週末起業』など多数。最新刊は『どうしても叶えたい夢がある人の時間術』。
アンテレクト代表取締役社長 藤井孝一●1966年、千葉県生まれ。慶應義塾大学文学部卒。大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家の経営コンサルタントとして独立。著書に『週末起業』など多数。最新刊は『どうしても叶えたい夢がある人の時間術』。

長期目標は10年先、20年先の自分の理想像から、徐々に“チャンクダウン”して決めていきます。チャンクとは塊のこと。つまり将来の夢という大きな塊をほぐして細かくしながら、年間目標、月間目標へと落とし込んでいくわけです。

将来の夢は、「仕事」「家庭」「個人」の3本柱で描きます。とくに意識したいのは個人の目標。仕事とプライベートという2本柱で考えると、プライベートが家庭の目標で占められてしまうケースが少なくありません。私自身、個人という柱がなければ、趣味で週末起業という目標を持つことはなかったと思います。3つの柱は、どこかに偏ることがないよう注意したいところです。

日々の仕事に追われて長期的な展望を持てないという人は、発想を180度変えてみてください。やりたいことではなく、やりたくないことから考えるのです。たとえば「10年後も満員電車に乗っていたくない」からスタートすれば、「好きな時間に出勤できるよう独立して会社員を辞める」「都心にマンションを買う」といった目標が見えてくるかもしれません。やりたくないというネガティブな気持ちの裏には、ポジティブな夢が隠れています。夢を直接思い描くことが難しければ、このように裏側からアプローチしてもいいはずです。

夢を年間目標、月間目標までチャンクダウンしたら、定期的に進捗状況を確認してフィードバックする機会が必要です。年間目標なら年1回、月間目標なら毎月1回、検証する予定日を手帳に書き込みます。長期目標チェックは緊急度の低いタスクなので後回しにしがちですが、スケジュールの中に埋め込んでしまえば強制的に振り返ることができます。

一人では不安なら、まわりを巻き込んでもいいと思います。私は経営者仲間数人と月1回、月間目標の合同反省会を実施しています。目標を人に宣言するため、いい意味で自分を追い込むことができるし、同じような立場の人の頑張りが刺激になります。職場の同僚など、身近な人たちとぜひ試してみてください。