「電気料金が安くなる」という甘言は要警戒
都市ガスについては、電気料金ほど特徴のあるプランは少ないですが、現在契約しているガス会社の料金実績をもとに、変更後の料金をシミュレーションできるサイトが複数ありますので、試してみてはいかがでしょうか。また、電気とガスをセットで契約すると安くなるプランがありますので、検討してみてください。
ただし、契約の切り替えを検討する際には、料金プランだけでなく、料金の算定方法や契約期間、契約解除の違約金の有無にも目配りしましょう。「毎月の電気料金が安くなると説明されたのに、逆に高くなった」というケースや、知らない間に有料のオプションサービスが追加されていたケースもあります。大手電力やガス会社をかたって、契約の切り替えを勧誘するトラブルも増えています(※3)。迂闊に検針票に記載された情報や住所、氏名などを伝えないようにしてください。
とにかく重要なのは、他人の勧めを鵜呑みにせず、自分で選択肢を探し、比較することです。最初に紹介したAさんの事例も、不動産会社が指定した新電力会社の料金プランを漫然と契約し続けたことが問題でした。請求書をチェックする習慣がなければ、今も値上がりに気づいていなかったかもしれません。
電力会社は、集合住宅か戸建てか、持ち家か賃貸かにかかわらず、自由に選べるのが基本ですが、管理組合や大家さんが電力会社と「高圧一括受電」の契約を結んでいる集合住宅の場合は、個別に電力会社を選んで契約することができないので注意が必要です。
※3 独立行政法人国民生活センター「電気代が安くなる⁉ 電力契約の訪問販売トラブル」
「電気代を食う大型家電」の節電のヒント
お得なプランを選ぶだけでなく、日常的な使い方を見直して節電につなげることも大切です。たとえば、夏はエアコンの室内温度を26度から2度上げると、1.6%~5.4%の節電効果があると言われます。エアコンの目詰まりしたフィルターを清掃することで0.6%~1.9%の節電につながります。
冷蔵庫の設定温度を季節に応じた適切な水準にし、食品を詰め込みすぎないようにすることで1.2%~1.8%の節電効果が得られ、冷蔵庫と壁との間に適切な間隔を空けておくことも省エネにつながります。
経済産業省「資源エネルギー庁」HPでは、このような節電や省エネのヒントが示されています(※4)。実際にやってみたら1年前の同月比で電気使用量を25%カットできたという人もいます。ライフスタイルに合ったプランの選択と節電行動の合わせ技で、何とかこの難局を乗り越えていきましょう。