14年ぶりに150円を超えた欧州通貨・ユーロ

2022年、円安ドル高が急速に進み、1ドルが150円台に突入したことは記憶に新しい。ドル円レートは一時120円台まで値を戻したが、5月2日の相場では一時1ドル=137.78円まで下落するなど、再び円安トレンドになった。

他方で、2022年はドル円に比べ上げ幅が限定されたユーロ円相場が、2023年に入って大きく動いている。

ブリュッセル欧州委員会本部の前ではためく欧州旗
写真=iStock.com/MarcBruxelle
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年明けのユーロ円レートは、1ユーロ=137.38円まで上昇した後に円安ユーロ高となり、4月28日には一時1ユーロ=151.59円まで下落した(図表1)。

ユーロが150円台を突破したのは2008年10月以来、約14年半ぶりのことだ。

【図表】ユーロ相場の推移
(注)日次 (出所)ECB

4月28日にユーロが150円台を突破した理由は、まず日銀が同日に開催した金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策の維持を決めたことにあった。

植田和男新総裁が就任して初めての金融政策決定会合とあり、日銀が金融緩和の修正に向けたメッセージを発するか投資家の注目が集まったが、植田日銀はまずは様子見のスタンスを示した。