注目するのは「基本料金」と「電力量料金」

既に述べたように、月々の電気料金は、「基本料金」「電力量料金」「燃料費調整額」「再生可能エネルギー発電促進賦課金」を合計した金額です。基本料金は電気契約に対して発生するもので、電力量料金は電気を使った分に対して発生するものです。

再生可能エネルギー発電促進賦課金は、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギー発電の普及のために用いられる料金で、料金単価は国が決めており、電力会社による差はありません。1年に1回見直されますが、ずっと値上がり傾向が続いています。

今後も燃料費調整額や再生可能エネルギー発電促進賦課金が上がっていくことが避けられないなら、基本料金と電力量料金に注目して、自分が住んでいるエリアで、安く利用できる電力会社を探すのが現実的です。これについては後述します。

コンロの火
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LPガス料金を安くすることは可能か

次は、ガスについて見ていきます。自由化以来、さまざまな企業が都市ガス市場に参入しましたが、都市ガスの供給区域は東京や大阪などの都市部エリアで、国土の6%に過ぎず(販売量は全体の80%以上)、郊外エリアや地方といった供給区域外ではLPガスを利用することになります。

実は、2017年4月に自由化されたのは都市ガスで、LPガスはもともと自由市場です。ところが、LPガスは各家庭にボンベを運ぶための人件費やガソリン代などの輸送費がかかることから、都市ガスより料金が高くなる傾向にあります。加えて、業界内であまり競争が働かず、談合体質であるためとの指摘もあります。

しかし、いくら都市ガスが安いからといって、供給区域でなければ変更はできません。たとえ供給区域であっても、自宅まで都市ガスの導管を引き込めるかどうかという問題があります。

工事にかかる費用は平均10万~15万円程度で、導管までの距離によって異なります。それまで使っていたガス機器を都市ガス対応のものに変える必要もあります。これらの費用をすべて見積もったうえで、変更するかどうかを判断しなくてはなりません。