「口座管理」でお金の流れを見える化する
安定的に「貯まる家計にする」には、努力よりも仕組みづくりが大事です。そして仕組みづくりには、入金・出金に不可欠な「口座の管理」と、日々の「支出の管理」の2つの側面があります。
「お金を貯めたいのに貯まらない」という人の多くが、「何にいくら使ったかが分からない」「無駄遣いをしているつもりはないのに貯蓄に回せない」とおっしゃいます。まずはお金の流れを見える化して、自然に貯蓄ができるような口座管理の方法をみていきます。
給与などが振り込まれる入金用口座をメインとしている人は多く、住宅ローンや水道光熱費、クレジットカード等の引き落とし口座にもなっているのではないでしょうか。しかし、引き落とし後の残ったお金を漫然と使っていると、なかなかお金は貯まりません。
「少し貯まってきたかな」と思っても、固定資産税や保険料など、年1~2回の大きな支払いがあったり、旅行やクリスマスなどのイベントで普段より多く使う月があったり、「結局貯まらない」の繰り返しになりがちです。
まずは、毎月自動的に貯める「先取り貯蓄」を
そこで、まずは王道である「先取り貯蓄」。給与振込日にあらかじめ決まった金額を、入金用口座から自動的に引き落として定期預金に充てる仕組みを作りましょう。「自動積立定期預金」といって、ほとんどの金融機関が取り扱っています。
勤務先に財形貯蓄や社内預金の制度があれば、給与天引きで貯蓄ができますので、利用を検討してもよいでしょう。社内預金には法律で下限利率が定められており、現在は厚生労働大臣告示に示された0.5%となっています(※1)。現状ではどこの金融機関よりも高金利なので、制度がある場合は利用したいところです。ただし、預金保険制度(※2)による保護、いわゆるペイオフの対象にならないことには注意が必要です。
元本と利息が保証される預貯金は貯蓄のベースとなりますが、長期にわたっての資産形成においては、投資商品を積み立てること(積立投資)も選択肢となります。いずれにせよ、毎月継続的に資産形成に回せる金額を決めて、自動的に積立商品にお金が振り向けられる仕組みを作りましょう。
※1 下限利率を下回る利率を労使協定で定めても無効。下限利率は市中金利の実勢を考慮して毎年10月に見直される。
※2 金融機関が破綻した場合、一定額の預金等を保護するための保険制度