子育て世帯を左右する「2回の貯め期」
子どもがいる家庭にとっての貯め期は、「子どもが10歳になるまで」と「子どもが大学を卒業してから親が60歳になるまで」の2回です。それは以前、こちらの記事で解説しました。
〈「夢のマイホーム」で無理な住宅ローンを組んだために…想定外の老後破綻を招く“3つの落とし穴とは〉(2022/12/28)
1度目の貯め期が教育費の成否を決し、2度目の貯め期は老後資金の成否を決します。そして、2つの貯め期は不可分に結びついています。
子どもが10歳になるまでの貯め期に思うように貯められないと、子育て費用がMAXとなる大学4年間を上手く乗り切れず、カツカツで2度目の貯め期に突入することになり、教育ローンと住宅ローンの返済に追われて老後資金どころではないという悪循環に陥ってしまいます。
中学受験熱の高まりが家計を圧迫する
大学4年間が子育て費用MAXと言いましたが、私立大学の4年間にかかる費用は平均で約470万円です。子どもが10歳になる小学4年生までにある程度の目途をつけておかないと、その後はなかなか貯蓄ができにくくなります。
なぜなら、小学校高学年ともなれば塾通いが始める子どもが多く、中学受験を目指すことになれば、住宅ローンの返済額並みの負担となることもあるからです。公立であっても中・高一貫校が選択肢となるなら、塾通いは避けられなくなりそうです。
一般的に、小学校と中学校は公立に進学する人がほとんどで、私立中学に通う生徒数は全体の7.7%です。とはいえ、最近の中学受験熱の高まりもあってか、私立小学校に通う児童数1.3%と比べると6倍にもなっています(※1)。
子ども自身の希望や地域の事情なども考慮して決めることになるのでしょうが、どう転んでもよいように、心づもりだけはしておくに越したことはありません。
(※1)文部科学省『令和3年度子供の学習費調査』