浮遊ろっ骨を意識できるか、上手に閉じることができるか否かによって、体は大きく変わります。
浮遊ろっ骨が閉じれるようになると、私たち人間にとってもっとも自然な姿勢、ナチュラルポジションが身につきます。
「浮遊ろっ骨を閉じる」と「ナチュラルポジション」は同意。ナチュラルポジションを一言で表すなら「地面に対して垂直に立つ」姿勢です。イメージはクラシックバレエのダンサーの立ち方です。
選手たちは“姿勢”を改善し、しなやかな体を手に入れた
実はキューバのコーチをしていたおばあさんは、元バレエダンサーでした。
バレエの立ち姿勢は、肩の力を抜いた状態で、フワッと浮き上がるイメージでまっすぐに立つ。これが、浮遊ろっ骨を閉じるコツになります。
この姿勢ができるようになると、まずウエストにくびれができます。そしてお尻がくっと上向き、スラッとしたスタイルに変わります。さらに全身が一気にほぐれ、硬くなっていた体が瞬時に柔らかくなります。
キューバの選手たちは、ナチュラルポジションをとる練習をすることでしなやかな体を手に入れ、世界最強の座に君臨していたのです。
「胸を張って、背筋をピンと伸ばす姿勢」は間違い
「地面に対して垂直に立つ」姿勢、といわれると、結局「良い姿勢をしようということでしょう」という結論にいたると思います。
しかし、ナチュラルポジションは私たちが昔から教わってきた「胸を張って、背筋をピンとのばして」という姿勢とはまったく違います。
むしろ教えられてきた正しい姿勢は、動作解析的には体をただ疲れさせるだけの間違った姿勢だからです。
胸部を前に突き出すようにして立つと、上半身に無理に力を込め腰を反らせてしまい、その姿勢を保つのに疲れを感じるだけで体のバランスを崩してしまいます。
重力の影響も無視できません。重力があるからこそ、私たちは地に足をつけることができます。ですが、重力という非常に強い力を受け続けるからこそ、受ける面積は最小限にしなければいたるところに支障が出てきます。
胸を張るという行動を文字通り行った場合、頭より前に胸部が大きく出て、真上から見た場合、重力の負荷を受ける面積をわざわざ広げてしまう行為になります。
体に負担をかけない「自然な姿勢」で柔軟性は取り戻せる
その点、ナチュラルポジションは重力の負荷を受ける面積を最小限にし、無理な力の使い方をしない、実に機能的な姿勢です。
試しにやってみましょう。