サミットで注目すべきは「G7以外の国々」
さて、いよいよG7サミットのメインイベント、首脳会議である。注目はG7各国首脳が一致結束して「核兵器のない世界」に加え、「対ロシア」「対中国」で強いメッセージを打ち出せるかだが、真に注目すべきは、議長役の岸田首相の招待で参加するグローバルサウスの大国、インド(G20議長国)やインドネシア(ASEAN議長国)との会談である。
インドはロシアとは兵器の輸入等で関係が深いが、中国とは国境で紛争を続けている国だ。インドネシアは、中国が日本から契約を奪う形で受注した高速鉄道プロジェクトがうまくいかず、南シナ海における中国の進出にも疑念を抱き始めている国である。
岸田首相が、G7各国に加えこれらの国々を巻き込んでメッセージを発信できれば、東アジア版NATOとも言うべき包囲網が「対中国」の抑止力として、より現実味を帯びてくるだろう。