「あなたはやる気を出せば、本当はできる子」

でも、みなさんの周囲にもいませんか? 中学校の2年くらいまでは、まったく勉強せず遊んでばかりいたのに、中2の途中くらいからグンと成績があがり、一流大学に合格した男の子が。

実は、思春期になると男の子の脳にはドーパミンというホルモンが多量に分泌されるようになり、これが集中力や意欲の上昇につながっていきます。

高校受験を控えて、「そろそろ勉強しないとマズイ」という状況に追い込まれた男の子が、ようやく集中して勉強に取り組み始めるのは、このホルモンのなせる業なのです。

しかし、すべての男の子がそうなるわけではありません。いくらドーパミンが分泌されても、勉強する気になれないままの男の子もいます。

では、将来伸びる子、伸びない子の差は、どうやって生まれるのでしょうか。

ここで大きな違いを生むのが「ポジティヴな自己イメージ」の有無なのです。

親御さんが心から「あなたはやる気を出せば、本当はできる子なんだよ」と信じてお子さんに言い続けると、お子さんの潜在意識に「ぼくは本当はできる子」とプログラミングされます。

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すると、悪い成績をとったときには、「僕は本当はこんなもんじゃない!」と脳のはたらきが活性化し、奮起するので、その結果成績は上位に安定しがちになります。

逆に親から「あんた、本当にバカね」と言われ続けた子は、せっかくたまにいい成績をとっても「これはまぐれ」としか受けとらないので、成績は下位に定着してしまうのです。

勉強の習慣がつく4つのポイント

勉強の習慣が身についていないのに、小学校高学年や中学生になってから、親がいきなり「勉強しなさい」とどやしつけても、効果はありません。

口うるさく「勉強しなさい」と言うだけでは、子どもに勉強の習慣はつきません。むしろ、勉強をきらいになるのが普通です。

では、毎日少しずつでも勉強する習慣を身につけさせるためにはどうすればいいのでしょうか。ポイントは次の4つです。

①勉強時間、勉強量のハードルを下げる

お子さんがゲームをしていたり、お笑い番組やアニメをTVで見るたびに、「そんなことするひまがあったら、勉強しなさい。勉強!」と叱りつけてしまうお母さんがいます。

けれども、勉強する習慣がついていない子どもに、いきなり長時間の勉強は無理というもの。親御さんが「最低限、これだけは勉強してほしい」と思うハードルをグッと下げる必要があります。

低学年のうちは、学校から毎日出る宿題をこなしているのであれば、もうそれだけでじゅうぶんだと私は思います。

②遊びのあとに勉強する

男の子は、「遊びたい」「これがしたい」といったん思い始めるとなかなか気持ちを切り替えることができません。お母さんから見ると、学校から帰ってまず宿題を終わらせてから遊びに行くのが理想ですが、遊びたくてウズウズモードに入っている男の子に、「勉強しなさい」と言っても馬耳東風。

むしろ、遊びや習い事から戻ったあと、好きなテレビ番組が始まるまでの10分、20分の時間を、勉強時間にあてるようにしましょう。「遊びから戻ったら、まず、15分だけ勉強」というリズムを身につけさせるのです。

③リビングで親がいっしょに勉強するのが一番!

実は、これがお子さんに勉強の習慣をつけさせるための、一番のポイントです。最初からひとりで子ども部屋で机に向かい、勉強できる子なんて、まずいません。「勉強しなさい」と子ども部屋に放り出すのではなく、リビングで途中まで親といっしょに勉強するのが一番の近道です。

「毎日子どもといっしょに勉強なんて、面倒くさい!」と思われた方もいるでしょう。でも大丈夫。「いっしょに勉強」は最初の10分でじゅうぶんです。勉強が軌道にのったら、「じゃあ、できたら見せてね」と離れていきましょう。

そして、最後は丸付けをしたり、やったところをチェックしてあげてください。子どものほうも「見てくれるのなら、ちゃんとやらなくちゃ」と心構えが違ってきます。

④問題集は「うすいもの」を選ぶ

やさしい先生が担任になって、学校での宿題が少なくなると親は心配になります。もう少し勉強させたいと、漢字や計算のドリルを買い与えるお母さんもいるでしょう。

その際、大切なのは、ドリルは、「うすいもの」を選ぶことです。「うすいドリル」のほうが1冊丸々やり切ることがたやすいので達成感が味わえ自信がつきます。