目的地は同じでも料金が変わる

相鉄にとって都心直通ルートがJR東日本経由と東急経由の2通りになったことで、乗り間違いも考えられる。両線とも武蔵小杉と渋谷に停車するが、運賃は東急経由が安い。

〈西谷―渋谷〉間の大人運賃は、相鉄・JR経由だと770円(IC運賃 758円)、相鉄・東急経由だと620円(IC運賃 616円)になる。

JR直通か東急直通かを見分けるには、先頭車前面の行先を見るのが確実だ。だが、相鉄の都心直通車両はすべてヨコハマネイビーブルー。さらに、ホームドアの設置が進み、先頭車の顔は確認しづらい。

筆者撮影
左は東急東横線直通用の20000系、右はJR線直通用の12000系。いずれもヨコハマネイビーブルーを身にまとう

相鉄では、列車種別の色をJR東日本直通はグリーン、東急直通はピンクにして、駅ホームにある電光掲示板のほか、車両側面のデジタル方向幕や旅客情報案内装置に表示している。それでも間違える人が現れるだろう。

仮に乗客がJR東日本の有人改札で「乗り間違い」を申告した場合、柔軟な対応が求められる。

画像=相模鉄道HPより

期待は東急の快適シート運用

東急は2018年12月14日から平日夜の大井町線〈大井町発の急行長津田行き〉で有料座席指定サービス、Qシートの営業が開始され、好評を博している。

これを受け、東横線でも2023年度下期頃からQシートを導入する予定だ。現時点、渋谷から横浜・みなとみらい方面での営業運転を想定している。また、新横浜方面の着席ニーズがある場合、検討する可能性があるという。可能であれば相鉄線にも直通してほしいところ。

参考までに、渋谷―新横浜―湘南台間40.6キロの最速所要時間は51分なので着席需要が高いと思う。

湘南台で交わる小田急電鉄江ノ島線は特急ロマンスカーが全列車通過することから、Qシートを導入するにはうってつけである。

筆者撮影
Qシートは簡易優等車両で、有料座席指定サービス時はクロスシート、それ以外はロングシートに設定される(写真は大井町線急行用の6020系)