不便なペデストリアンデッキ

ここからは課題を挙げていく。

まず新横浜駅の構造だ。新しく完成した相鉄・東急新横浜線の新横浜駅からJR線の新横浜駅へ乗り換える際、最短ルートは〈出口5A〉に直結する地上のペデストリアンデッキに出て駅ビルまで歩くことだ。

新設されたデッキは利便性向上を考え、バスターミナルにも直結している。だが、一部に上屋があるのみで、雨の日は傘をささなければならず、若干の手間を要する。実際開業日は雨が強く、傘がなくても衣類や荷物が濡れてしまうほどだった。

また、雪になると路面の凍結により、けが人が発生することも考えられる。今後はペデストリアンデッキの上屋を可能な限り増設する、悪天候時を中心に駅員が〈出口1〉へ誘導案内することで、誰もが快適に利用できるよう願う。

新横浜駅平面図(東急電鉄HPより)
画像=東急電鉄HPより

なぜ大倉山駅にホームを設けなかったのか

新横浜駅でもうひとつ気になるのは、両隣の駅までの距離が長いこと。東急新横浜線〈新綱島―新横浜〉間は3.6キロ、相鉄新横浜線〈新横浜―羽沢横浜国大〉間は4.2キロで、首都圏では異例の長さだ。

東急新横浜線の一部は東横線〈日吉―大倉山〉間にほぼ沿っており、大倉山にホームを設けなかったのが惜しい。事実上の複々線にすることで東横線の混雑緩和につながったはずだ。

一方、相鉄新横浜線〈新横浜―羽沢横浜国大〉間は東海道新幹線にほぼ沿っている。航空写真地図を見る限り、比較的住宅が密集している八反橋交差点あたりに駅を設けてもよかったと思う。

相鉄・東急によると、駅間は地下を掘り進めたシールドトンネルのため、開業後の新駅建設ができないという。

東急新横浜線日吉―新綱島間の単線並列シールドトンネル
筆者撮影
東急新横浜線日吉―新綱島間の単線並列シールドトンネル

ちなみに東京メトロ銀座線、丸ノ内線、日比谷線で全通後に地下新駅が建設できたのは、地面からトンネルを掘り進めてゆく開削工法によるものである(丸ノ内線の一部区間を除く)。