2023年3月18日、相鉄と東急をつなぐ新線「相鉄・東急直通線」が開業した。これにより、渋谷―新横浜間は最速25分、目黒―新横浜間は最速23分で結ばれる。レイルウェイ・ライターの岸田法眼さんは「新横浜へのアクセスが向上したことは大きな利点だ。一方、早急に対応すべき課題も生じている」という――。

渋谷―湘南台間は最速51分に

2023年3月18日、21世紀の首都圏では“大型新線”といえる「相鉄・東急直通線」が開業した。

相鉄の羽沢横浜国大(横浜市神奈川区)と東急の日吉(同市港北区)を結ぶ新線だ。

相鉄側は「相鉄新横浜線」(〈西谷―羽沢横浜国大〉間は2019年11月30日に開業済み)、東急側は「東急新横浜線」という路線名で営業する。

直通線の開業により、相鉄線〈湘南台―渋谷〉間が乗り換えなしで最速51分、東急線〈新横浜―渋谷〉間が最速25分でつながるなど、都心方面へのアクセスが向上することになった。

2019年11月30日開業の「相鉄・JR直通線」で相鉄本線から新宿・渋谷方面へは、すでに乗り換えなしで行くことができるが、東急線を経由することで直接アクセスできる場所がさらに増えた形だ。

新横浜への利便性が格段に向上した

相鉄・東急新横浜線開業の最大のメリットは、東海道新幹線乗換駅の新横浜に直結することだ。

今まで都心から新横浜へは東海道新幹線が最短ルートながら、新幹線特急料金が必要なので割高という難点があった。また、東急側は武蔵小杉の近辺、相鉄側は西谷の真上に東海道新幹線がありながら、駅がないので、菊名や横浜での乗り換えを強いられていた。

新線の開業を受け、東海道新幹線を管轄するJR東海は新横浜6時03分発の臨時〈のぞみ491号〉新大阪行きを新設(おもに月・土曜日運転)。

武蔵小杉だと5時39分発の急行(平日は海老名行き、土休は湘南台行き)、西谷だと平日は5時33分発の特急渋谷行き、土休は5時32分発の特急小川町行きに乗れば間に合う。

東海道新幹線上り新横浜着の最終列車は23時27分の〈のぞみ64号〉東京行きで、相鉄新横浜線は0時23分発(土休は0時19分発)の各駅停車海老名行きに乗れば、二俣川でいずみ野線に乗り換えることができ、各駅停車湘南台行きに悠々間に合う。

東急新横浜線も23時42分発の各駅停車目黒行きに乗ると、日吉駅で東横線の各駅停車渋谷方面新宿三丁目行きに乗り換えられる。