館内に「映え壁」を設置した理由

長田麻衣『SHIBUYA109式 Z世代マーケティング』(プレジデント社)

さらに、SHIBUYA109の館内の各フロアの非常階段には、“映え壁”があります。これは買い物を楽しむだけでなく、友達と自撮りをしたり、動画を撮ったり、「推し活」関連の写真を撮ることを想定して設置されています。買い物以外の時間の過ごし方を創出することで、来館の目的となる選択肢を増やそうと意図したことは言うまでもありません。

around20が、お金や時間を使う価値があると感じているモノやコトには、必ずビジネスのヒントが隠れています。彼らの熱量が注ぎ込まれている対象とその理由を深く探っていくと、必ず自社製品・サービスと掛け合わせられるフックが見つけられるはずです。

重要なのは、自社都合の話を聞くのではなく、360度の方向からaround20を観察し、理解すること。そして、自社製品とaround20の距離を埋めてくれる価値観や消費の実態を把握することです。

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