リサーチを外注しないワケ

特に、「直接に接点を持つ」という点が重要なポイントです。通常、Z世代との接点を持つには、調査会社などの外部パートナー企業への依頼をすることが多いと思います。

もちろんパートナー企業のサポートを得て実現できることも多々あるため、全てを内製化せよと申し上げているわけではありません。しかし、理解する行為そのものは、なるべくアウトソーシングしないことをお勧めします。

インタビュー調査を行い、全ての分析や考察をパートナー企業に任せてしまったり、納品されたレポートを見て、知った気になってしまうことは、避けるべきです。「知った気になっている」という企業の姿勢は、ターゲットにもしっかりと伝わってしまいます。特に「Z世代」という言葉が、ある種のバズワードとなっている今、残念ながらそのようなケースは多く見られるようになった気がしています。

オフィスの廊下でコーヒーを手に立ち話をする2人の女性
写真=iStock.com/fizkes
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企業は「私たちをダシにして、お金儲けをしようとしている」

実際に、“Z世代向け”の商品や企画を見ながらZ世代たちと話していると、「私たちをダシにして、お金儲けをしようとしているな」「Z世代向けと謳っているけど、実際、私たちよりももっと下の世代に向けられたものに見える」など、ネガティブなイメージや違和感を持つ様子が見受けられることは少なくありません。

そんなビジネスにしないためには、ターゲットであるZ世代に対して価値提供をする責任者は自分(=企業の実務担当者)であり、彼らを最も理解し、同じ目線を持っているのも自分であるという自負を持って向き合う必要があると思います。

「直接に接点を持つ」ことで、自社にノウハウを蓄積していくことにも繋がりますし、Z世代的な目線で物事を眺められるようになれば、外部のパートナー企業から提案してもらった企画の違和感に気づくこともできるようになります。