反対意見に対しては「ありがとう」

イノベーションの父である経済学者シュンペーターは、著書の中で「新結合」という言葉を使ってイノベーションの概念を初めて提唱しました。

ハーバード大学のクリステンセン教授も、著書の『イノベーションのジレンマ』で「イノベーションは異質な事柄を結びつける思考」と表現しています。異質を避けていると同質だけになってしまい、イノベーションが起こりにくくなるというのです。

5%社員は、社内にいる「異なる意見を言う人」をまず受け入れます。自分とは反対意見の人が発言している時に、うなずきながら聞くのが特徴的です。

まずは否定せずに聞いて、聞いていることが相手に伝わるようにしっかり頷きます。異なる意見を出してくれてありがとう、という感謝の意味でそうしているのです。

「反対意見を実際に採用するかどうかは、聞いたあとに決める」と、通信業の5%社員が発言していました。「聞くこと」と「決めること」をはっきり分けているようです。

反対意見を一方的に遮断してしまうと、同質な人だけで集まり、同調圧力が強くなり、よき摩擦が起きにくいと考えているのでしょう。

やる気がなくても成果を出すルーティンを作る

③「やる気」をあてにしない

3つ目の共通点は、「やる気」をあてにしないことです。

上位20%社員は成果を出すことを目指し、5%社員は成果を出し続けることを目指しています。やる気があふれている時だけ仕事に集中するのでは成果にムラが出る、と5%社員は考えています。

そのため20代で5%社員になる、少なくない割合の人が、リモートワーク時でも出社時でも、小さなルーティンを作って、やる気がなくても自然に仕事を始める習慣を作っていました。コーヒーを飲み終えたらパソコンの電源を入れる、観葉植物に水をやったらチャットを確認する……といった具合に。

日常の習慣に「仕事を開始するスイッチを押す」習慣を組み合わせて、自然に作業を開始するような小さなルーティンを作っていたのです。