学閥の恩恵がないから「社外人脈」

その共通点は主に3つあります。

①社外人脈

1つ目は、社外の人脈を築いていたことです。

同じ大学の出身者で構成される社内のネットワークが存在する企業があります。いわゆる学閥です。この閉ざされた社内ネットワークで懇親会や情報交換が行われ、異動や昇格に影響することもあります。

こうした学閥の恩恵を受けることがないFラン大学出身の5%社員は、20代のうちは社外に目を向けて人脈を構築していました。取引先の役員や、行きつけの整体院の先生、フットサルで知り合った先輩など、公私で積極的に多種多様な人脈を築いていました。

IT企業でトップ5%入りした30代社員は、次のように語ってくれました。

「社会保険が充実している日本では、健康とお金はある程度、国が保証してくれる。人脈だけは自分でゼロから築くしかない」

30代以降は「生きた人脈」がものを言う

コロナ禍でリモートワークが普及しましたが、20代社員の孤立化は深刻になっています。

チャットで自分から声をかけたり、オンライン会議でビデオをONにしたりしないと、周囲から気にかけてもらえません。そうした環境下で、閉塞へいそく感や無力感を感じて心を壊す20代が増加しています。

ITツールが普及して、リモートワークをはじめ一人で仕事がしやすくなったのはよいのですが、周囲とよい関係性を構築すべく、自分から動かないと孤立してしまうのです。

20代で5%社員になる人は、リモートワークでも能動的に動いていました。興味のありそうなウェブセミナーやオンライン読書会に参加して社外の人脈を構築していました。

高学歴に油断して社内人脈しか築かなかった人、特定の上司に気に入られて、そのことにあぐらをかいていた人は、30代にもなると、積極的に行動して広いネットワークを構築してきた人とのあいだに大きな差がついてしまいます。そうした中で、Fラン大学出身者に逆転されることも実際に起こっているのです。