憲法24条1項に書かれていること

憲法24条1項は、「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」と規定している。最高裁大法廷の平成27年12月16日の判決は、この規定は、「婚姻をするかどうか,いつ誰と婚姻をするかについては,当事者間の自由かつ平等な意思決定に委ねられるべきであるという趣旨を明らかにしたものと解される」と判示した〔最高裁判所大法廷 平成26(オ)1023 判決〕。

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この判旨は、「婚姻の自由」を「当事者間」に、すなわち男女のカップルだけではなく同性のカップルにも認めたものとも読めるが、そうではない。これは民法750条の夫婦同氏制度の合憲性に関する判例であり、それを判断するのに必要な限りで憲法24条1項を前記のように解釈したにすぎない。

日本の司法は同性婚への最終的判断を下していない

すなわちこの事案では争点になっていない同性カップルの「婚姻の自由」について、最高裁は何も判断していないのだ。もっといえば同性カップルにも「婚姻の自由」が憲法上あるか否かについてYesともNoとも言わないために「当事者間」という言葉を用いたのだ。

もっとも昭和62年9月2日の最高裁大法廷判決は、「婚姻の本質は、両性が永続的な精神的及び肉体的結合を目的として真摯しんしな意思をもつて共同生活を営むこと」としているが、この定義に続いて「夫婦」の言葉も見え、最高裁は、男女のカップルの共同生活を「婚姻」としているように読める〔最高裁判所大法廷 昭和61年(オ)260号 判決〕。

同性カップルに「婚姻の自由」があるか否かについて日本の裁判所はいまだに終局的な判断をしていないと考えておくべきだろう。