「前例踏襲」で脳はヨボヨボ化する

着慣れない服を選ぶのは、少し勇気が要るのも事実です。

「この歳でこんな服を……」としり込みしてしまう人もいるでしょう。

しかし、そこは「実験」だと割り切ってトライすることが大切です。

日本の小学校で行われていた理科の実験は、まさに「名ばかりの実験」でした。あらかじめ答えのわかっている結果を確認するだけの授業でした。

その後遺症を引きずっているのか、日本人は実験を重ねて新たな発見をすることが苦手で、新しいことに挑戦する意欲に乏しい気がします。

社会批判や政治・政党を批判する場合、われわれは、しばしば「前例の踏襲」をやり玉に上げます。

「日本の政治や行政は前例を踏襲しているだけ。とくに役人は失敗を恐れ、前任者の判断や行動をなぞることが多い」という批判をよく耳にします。

ですが、前例をなぞるのは日本人全体に共通している行為で、ファッションでも冒険する人はかぎられています。

その結果、いつも同じファッションに身を固め、同じような時間を過ごし、同じ人とばかり会うようになります。

これは「ヨボヨボした人の生き方」であり、脳のヨボヨボ化は避けられません。

年齢を重ねると衣料品を購入するのが面倒という声も聞かれます。

ただ、いまはインターネットで気軽に服を買える時代です。「安くてもOK」なら、ワイシャツも1000円台で購入できます。

写真=iStock.com/iprachenko
いまはインターネットで気軽に服を買える時代(※写真はイメージです)

パソコンやスマホを検索すると、感心するほどたくさんの種類やデザインの衣料品を閲覧することが可能です。

たまには「いつもの自分では着ない服」を選んでみると、ウインドーショッピングに似た楽しさがあり、若い心が甦ってきます。