労働時間が長く、生産性は低い日本

OECDが2017年に行った調査によると、日本の年間労働時間は1710時間、ドイツは1356時間だったそうです。ドイツは日本の80%以下しか働いていません。日本では10時間働くところ、ドイツでは8時間しか働いていないのです。

労働時間だけでなく、年収も比べてみましょう。ドイツ人の平均年収は5万7000ユーロです(ドイツ人の給与実態レポート「StepStone Gehaltsreport 2021」より)。

1ユーロ130円とすると、741万円の計算になります。一方、日本の平均給与は約430万円で、ドイツと比べて約300万円も低くなっています(2021年9月に国税庁より発表された「令和2年分 民間給与実態統計調査」より)。

この数字を見て愕然とされた方もいるでしょう。調査のベースが違うのかもしれないので、単純に比較はできませんが、一時間当たりに稼ぐ金額が相当違うということはわかるはずです。

単純に平均年収・給与を年間労働時間で割ると、ドイツは5464円、日本は2514円となり、なんと2倍以上の差があります。労働生産性という意味では、日本はかなり劣っていると言えます。

残業前提の仕事を半分にする

残業や休日出勤をすると、確かに割増賃金などをもらえます。それがないと生活が成り立たない、という人もいるでしょう。しかし、せっかく労働時間が決まっているのですから、所定労働時間の範囲内で仕事をして、つまり今の残業前提の仕事を半分にして、生産性を上げていくべきです。

そして、その減った残業や休日出勤分は、自分の価値を高めたり、将来のために使ったり、休息をしたりすることに使ってください。

今の給与を増やしていくために、残業や休日出勤で賄う、ということもできなくはないです。しかし、それをやっていると泥沼にハマるだけです。給与も劇的に上がることはないでしょう。

生産性を上げ、健康を保ち、自分の価値を上げていきたいのであれば、まず残業や休日出勤をすぐにやめるべきです。そして、仕事の時間を半分にして、その残った時間を使って何ができるかを考えてみてください。

作業の順番を変え、徹底的に仕事の無駄を省く

2.仕事の「超効率化」を行う

「残業や休日出勤をやめて、所定労働時間の範囲内で働き、それ以外の時間を、自分の価値を高めるために使うのがいい」という論を述べましたが、それがなかなか難しいという人も多いでしょう。

そこで、残業や休日出勤をなくして仕事を半分にするために、何をすればいいのか考えてみます。

その1つの答えとなるのは、「仕事を超効率化する」ということです。ただの効率化ではなく、“超”効率化です。効率化を超える効率化をしてはじめて、仕事が半分になる状態に近づいていきます。

超効率化をするためには、常に効率化のことを考えて、仕事をしなければなりません。徹底的に仕事の無駄を省いたり、作業の順番を考えたり、時間のかかりすぎる作業をやめたり、動き方を変えていく必要があるのです。