3.事実をフルオープンにする
自分たちに都合が良かろうが悪かろうが、把握できている情報はすべて、主観的判断は差し挟まずフルオープンにすることが基本だ。情報の出し惜しみは新たな疑惑を生み、後で発覚したときに「隠蔽していたのでは?」などと余計な勘ぐりに繋がり、騒ぎも大きくなってしまう。必要な情報か否か、判断するのはこの場合あくまで受け手側なのだ。具体的な開示情報とスタンスについては、次項にて詳説する。
4.「組織の問題」として責任を負う姿勢を示す
発端が自組織の不祥事や失言にあるとしても、暴言レベルの批判を浴び続ければ、感情的な反発もしてしまいたくなるものだろう。ましてや、その原因が自組織の従業員による不手際であれば、「従業員が軽率だった」などといった釈明で済ませてしまいたくなるかもしれない。しかし、それでは「他人事」「責任逃れ」と捉えられ、炎上が加速するリスクがある。あくまで、騒動を引き起こし、世の中を騒がせてしまった自組織の問題として、組織ぐるみで対応する姿勢を示すべきなのだ。
謝罪で絶対に言ってはいけない3つの言葉
その他にも、責任逃れだと捉えられるリスクのある表現として次のようなものが存在する。いずれもつい使ってしまいがちだが、炎上に油を注ぐ結果になりかねず、くれぐれもご法度として認識しておきたい。
●不快な気持ちを抱かせたなら
既に炎上している時点で、不快な思いを抱いている人は一定割合存在しているため、他人事のように聞こえてしまう。逆効果である。
●遺憾である
カン違いしている人が多いようだが、「遺憾」とは「期待どおりにならず不満だ」という意味であり、謝罪の場面で用いる言葉ではない。こちらも、用語のチョイスでさらに批判が強まる展開になりかねない。
●誤解を招いてしまった
「誤解されている」と感じているのはあくまで自分たち側であり、あまりに主観的な言葉である。批判している側は当然ながら「自分たちが誤解している」とは思っていない。すなわち、相手に対して「それは誤解です」と述べるのは、「あなたは間違っている」と言っているのと同じだ。誰しも、間違っていると言われれば気分は良くないし、とくに炎上時点であなたの組織への信頼度が高い人であればあるほど、「信用していたのに、誤解と言われた……」と反発が大きくなる可能性が高い。