白米より玄米、白いパンより全粒粉パンが死亡リスクを下げる
主食として、ごはんやパンの中でもオススメなのは、玄米や全粒粉のパンなどの全粒穀物食品です。全粒穀物とは、ぬかなどの外皮や胚芽を取り除かずに残した穀物のことです。
白米や白いパンは、外皮や胚芽を精白・除去する過程で、食物繊維や抗酸化物質、ミネラルやビタミンなどの重要な栄養素が削り取られてしまっています。全粒穀物ならこれらを豊富に得ることができるのです。さらに、優秀な低GI食でもあるので、血糖値の上昇を抑えることができます。
全粒穀物が健康寿命を延ばすことは、さまざまな研究によって実証されています。全粒穀物の摂取量と、糖尿病・心筋梗塞・がん・脳卒中による死亡リスクを、45の研究から総合的に解析した研究によると、全粒穀物の摂取量が増えるにつれて死亡リスクが下がることが判明しました(図表2)。特に糖尿病による死亡リスクは、1日90g(全粒粉パン3切れ相当)食べることで、半分ほどまで大幅に下がっています。
健康寿命を縮める食事因子第1位は「全粒穀物不足」
また、世界195か国の27年分のビッグデータを分析した研究では、健康寿命を縮める食事因子を調べた結果、第1位は「全粒穀物の摂取量が少ない」でした(図表3)。2017年は全粒穀物不足により世界で300万人が死亡したと推計しています。
このように、玄米や全粒粉パンなどを摂取することは、健康寿命を延ばすために非常に有効なのです。毎日食べる「主食」は、体に大きな影響を与えます。高GI食ばかり食べている人は、この機会に低GI食を取り入れてみてはどうでしょうか。