血糖値が高いと老化が早まるメカニズム
通常、糖分は全身の筋肉や肝臓に優先的に取り込まれていき、余った糖分が脂肪組織に取り込まれていきます。このとき、糖質が過剰だと、余分な糖分が脂肪にどんどん取り込まれ、不必要な脂肪(内臓脂肪)として蓄積されてしまうのです。内臓脂肪はメタボリックドミノを引き起こす大きな原因です。
また、血糖値が高い状態が続くと、それをコントロールしようとインスリンの分泌過多が続きます。すると、インスリンを作る膵臓が疲弊し、その結果、インスリンが枯渇してしまうのです。糖尿病の人がインスリンの注射を打つのは、体内で作れなくなったインスリンを補うためです。
血糖値が高いことは、糖尿病の原因になるだけではありません。血液中に糖分が多いと、血管を内側から傷つけてしまい、動脈硬化を加速させ、さまざまな生活習慣病や老化の原因になるのです。こういった悪循環を回避するために、糖質の摂りすぎには注意しなければなりません。
麺類を食べるなら「低GI食」のそばを選ぶ
そこで頼りになるのが「低GI食」です。GIとは食品ごとの血糖値の上昇の度合いを示す指標のことです。GI値が高いと血糖値が上がりやすく、低ければ上がりにくいことを意味します。
一般的に血糖値は、炭水化物、タンパク質、脂質の順番で上がりやすくなります。そのため、主食となる炭水化物を低GIの食品に置き換えていくことが、血糖値の上昇を抑える戦略になります。図表1は、炭水化物系の食品のGI値の比較です。ごはんなら玄米、麺類なら日本そばが低GI食品です。
そばの中でも、そば粉8割につなぎの小麦粉を2割使った「二八そば」より、そば粉を10割使った「十割そば」のほうがGI値は低くなります。また、そばには必須アミノ酸のリジンやビタミンB1、抗酸化作用があり血圧の上昇を抑えるルチンなどの栄養素が豊富に含まれているのも魅力的です。麺類の中では最もオススメの低GI食です。