スッキリしないから何度も同じ愚痴を繰り返す

65歳以上の3割に聴力障害があるといいます。会話がうまくできなくなるのも、聞こえにくいのが原因の一つです。視力も80歳だと1.0を維持している人は10%くらいといいます。見えにくいことでストレスが多くなります。このような不安などのストレスから、愚痴を言ったり、ネガティブなことを言いたくなります。

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同じ愚痴を何度も何度も言っているとしたら、それは聞いてもらっていないと感じているのかもしれません。

松橋良紀『聞き方の一流、二流、三流』(明日香出版社)

「その愚痴は聞き飽きたよ。前向きにとらえたら?」と言われても、スッキリしていないのだから言いたりないのです。欲しい反応が得られないから、何度も何度も同じ話を繰り返すのです。そんなときは、一流の聞く技術の登場です。といっても、何かすごい技を使うわけではありません。しっかりペーシングをすることです。

そして、一切のアドバイスをせず、励ますようなこともせず、ひたすら親の目をみながら、聞いてください。そして、共感してあげてください。そうすることで、今まで同じ話をするのに30分かかっていたのが、5分で済むようになるかもしれません。親にとっては、「ああ、本気で自分の話に共感してもらえた」と感じた瞬間に、その話をする必要がなくなります。心の中に残っている未完了がクリアされると、心が軽くなります。

未完了を引き出して、スッキリさせるために、聞く技術をフル活用してください。

・POINT
一流は、本気で共感することで愚痴を終わらせる
何度も何度も同じ話をするのは「共感してほしい」というサイン

三流は目に見えることをほめがち

多くの人は、ほめられることが大好きです。しかし、ほめ方によっては、相手に喜ばれません。三流は、次の例のように、目に見えることばかりをほめがちです。

【三流】Gさんは、どんなに忙しくてもいつもキチッとした身なりで出社するよね。そのカラーシャツも鮮やかですごく良いよ!
【相手】ありがとうございます(オシャレじゃないあなたに言われてもね)

見た目をほめるのは初対面の人なら、話を広げるきっかけになったり、潤滑油になります。しかし、よく知っている人間関係などでは、ちょっと浅いほめ方です。

また、オシャレに詳しい人がほめるならまだしも、こだわりを持ってなさそうな人からほめられても、うれしいと感じることはないでしょう。また最近では、男性上司が女性社員のルックスをほめると、セクハラと思われる可能性がありますから注意が必要です。

【二流】挨拶の声が、いつも大きくて爽やかだね~

このように、二流は相手の行動をほめます。しかし、このレベルでほめても、それほど喜ばない人も多いです。