人を「敵か味方か」でしか判断できない

好き嫌いの激しい上司の多くには、強い「見捨てられ不安」があります。こういう人は、人を敵か味方かでしか判断できず、中間がありません。人から見捨てられることに恐怖心があるため、味方にはべったりと依存してできるだけ近いところにいてもらおうとしますが、少しでも自分から離れるそぶりがあれば裏切り行為とみなして「敵認定」してしまいます。

その原因は人それぞれですが、よくあるのは親からの愛情不足です。「親に捨てられるのではないか」という不安を抱えたままで大人になったケースです。また、過去に家族や親友から裏切られたといった経験がある人も、見捨てられ不安が強くなることがあります。そうすると、大人になってもなかなか自分に自信が持てず、自己肯定感が低くなったり、情緒が不安定になったりします。

こういったタイプの人は、「信頼できる」と感じた人への依存が強くなる傾向があります。だからこそ、今まで自分に忠誠心を見せ「味方」だった部下が、自分の意に沿わない言動をしたり、自分から離れたりすると、裏切り行為のように感じてしまいます。そして敵と認定して、攻撃の対象にしてしまうのです。

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「敵ではない」と思わせる努力をするしかない

こういう上司への対応は、なかなか難しいです。一度嫌われた人から好かれるようになるのは、ふつうでも難しいのに、こうした極端なタイプの上司が相手だと、なおさら大変です。

上司に嫌われたままで、できるだけ距離を取りながらやり過ごすという方法もありますが、そうすると結局、居心地が悪くなりつらくなるのは部下である自分の方です。

ですから、少しでも状況を改善したいと思うなら、上司に「あなたの敵ではない」と伝える努力をしていくしかありません。できるだけ上司を不安にさせないよう、密なコミュニケーションをすることも必要になります。

たとえば仕事がうまくいったら、上司に一言「あなたのおかげでうまくいきました」と伝える。ミスした場合に頼るのもいいでしょう。「失敗したから助けてほしい」「力を貸してほしい」とはっきり言葉にして、「あなたが必要なんです」「頼りにしています」ということを伝えて、距離を縮めていきます。まさに「ゴマをする」感じがしてイヤかもしれませんが、こういうタイプは頼られると喜ぶことが多いので、割り切ってやってみるのも手です。

周りに有能アピールをしまくる上司

もう一つの「迷惑上司」は、有能アピールしまくりな人です。

とにかく称賛されたい、特別視されたい、という思いが強く、いたるところで自分が有能であることをアピールしようとします。