ビギナーズラックには理由がある

賭け事の世界では、初心者が勝つという現象がしばしば起こる。いわゆる、ビギナーズラックというやつである。

ビギナーズラックというと、「たまたまついていただけ」という見方をする人が多い。だが、ビギナーズラックはけっして偶然ではない。むしろ起こるべくして起こっているといってもいい。

初心者は賭けるゲームの事情にうとく、勝手がわからないから、あまり考えることをしない。要は難しく考えず、シンプルに直感を働かせて行う。実はそのことが勝ちを呼び込むのである。

経験を積むほど「迷う」

人は、ものごとがわかってくるとだんだん難しく考えるようになる。知識と情報を増やし、それを細かく分析するほどうまくいく確率は上がる、そう思って、考えをどんどん広げていく。

ところが、思考は重ねるほど選択肢が増え、その分、迷いが生じる。迷いは正確な判断を遠ざけ、結果的に答えを外すということになりがちだ。それよりは最初から直感で「これ」と感じたもののほうが正解だったりする。

麻雀にも難しい手とやさしい手があるが、初心者はどれが難しくてどれがやさしいかもわからない。直感でシンプルな手を持ってくる。そのシンプルな手が勝ちへとつながっていく。

勝負は複雑にすればするほど「負け」に近づく。「シンプル・イズ・ベスト」なのだ。このことはどんなジャンルにおいてもいえるが、こと勝負の世界においては際立っている。