テクニックや知識の怖さ

ところが、この「捨てる」ということはなかなかに難しいものだ。たいていの人はテクニックや知識にあまりにも大きな価値を置きすぎているからだ。だからテクニックや知識に寄りかかっていないとたちどころに不安になってしまう。

もちろん、どのような土俵であれ何らかの勝負をする限り、ある程度、テクニックや知識は必要である。

問題なのは、余計なテクニックや知識まで身につけて、それに依存してしまうことだ。

テクニックや知識を戦うための武器としてとらえると、その武器をいかに強いものにするかということに神経が行き、武器を使う肝心の自分を強くすることがおろそかになってしまう。

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「感じる力」を鍛えよ

負けない力を培うには、テクニックや知識を捨てた素の自分で勝負することを前提にしなくてはいけない。そのうえで必要なテクニックや知識があれば、それを取り入れたり、身につけたりしていく。

最初にテクニックや知識ありき、ではないのだ。

そしてテクニックや知識に対しては、不必要なものと必要なものを見分けていく姿勢が大事である。

相手をあざむいたり、ひどく傷つけたりするようなテクニックやこけおどしのような知識はもちろん要らない。素の自分に照らし合わせてみて、本当に必要だと感じられるものだけをフラットな気持ちで選ぶ。

このとき素の自分を支えるものは、「感覚」である。考える前に、そしてテクニックを使おうとする前に感じるもの。思考やテクニックで射抜けないものが、この「感じる力」を使えば射抜くことができる。