麻雀の“代打ち”として名を馳せ、20年間無敗。いつしか「雀鬼」の異名で呼ばれるようになった伝説の勝負師・桜井章一さん。セブン‐イレブン限定書籍『勝とうとするな 負けの99%は自滅である』より、勝負に「負けない」能力を高めるための極意を特別公開する――。(第1回/全3回)
※本稿は、桜井章一『勝とうとするな 負けの99%は自滅である』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
強さには2種類ある
強さには2種類ある。“見せかけの強さ”と“ホンモノの強さ”だ。
見せかけの強さは前のめりになって勝ちを急ぎ、調子の波が激しいが、ホンモノの強さは悠然として負けることがない。見せかけの強さは、見渡せばそこらじゅうにあるが、ホンモノの強さはそうめったにお目にかかれない。
では、ホンモノの強さとは何なのか?
どうすればそこに近づけるのか?
本書『勝とうとするな 負けの99%は自滅である』は、その本質について、実践的な立場から語ったものである。
勝つためのテクニックを磨いても無駄
私はかつて麻雀の裏プロとして真剣勝負を重ねてきた。いわゆる代打ち稼業(政治家や財界人に代わって麻雀を打つ勝負師)だ。
そこで知り得た1つの法則がある。
負けの99%は自滅ということだ。
こちらが何もしていないのに、相手が勝手に墓穴を掘り、目の前で音もなく崩れていく。そんな光景を私は嫌というほど見てきた。