麻雀の“代打ち”として名を馳せ、20年間無敗。いつしか「雀鬼」の異名で呼ばれるようになった伝説の勝負師・桜井章一さん。セブン‐イレブン限定書籍『勝とうとするな 負けの99%は自滅である』より、勝負に「負けない」能力を高めるための極意を特別公開する――。(第1回/全3回)

※本稿は、桜井章一『勝とうとするな 負けの99%は自滅である』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

20年間無敗の「雀鬼」として知られる桜井章一さん
写真=野辺竜馬
20年間無敗の「雀鬼」として知られる桜井章一さん

強さには2種類ある

強さには2種類ある。“見せかけの強さ”“ホンモノの強さ”だ。

見せかけの強さは前のめりになって勝ちを急ぎ、調子の波が激しいが、ホンモノの強さは悠然として負けることがない。見せかけの強さは、見渡せばそこらじゅうにあるが、ホンモノの強さはそうめったにお目にかかれない。

では、ホンモノの強さとは何なのか?

どうすればそこに近づけるのか?

本書『勝とうとするな 負けの99%は自滅である』は、その本質について、実践的な立場から語ったものである。

勝つためのテクニックを磨いても無駄

私はかつて麻雀の裏プロとして真剣勝負を重ねてきた。いわゆる代打ち稼業(政治家や財界人に代わって麻雀を打つ勝負師)だ。

そこで知り得た1つの法則がある。

負けの99%は自滅ということだ。

こちらが何もしていないのに、相手が勝手に墓穴を掘り、目の前で音もなく崩れていく。そんな光景を私は嫌というほど見てきた。