(1)初期コーチング

マネジャーを始動させ、全力を出させる1つの方法は、集中的なフィードバックとコーチングを与えることだと、「The 7 Hidden Reasons People Leave(社員が離職する7つの隠れた理由)」(American Management Association, 2005)の著者、レイ・ブランハムは述べている。マネジャーが働き始めてから1週間以内に、最初の90日間に彼(彼女)に期待することを詳しく説明し、これらの目標と測定方法を業績契約にまとめるよう求めよう。

(2)必要なネットワークを一緒に考える

「マネジャーの有能さはなによりもその人的ネットワークから生まれる」とロラッグは言う。そのことを念頭に、新しく来たマネジャーが仕事を始める前に、そのマネジャーに必要なネットワークを図に描いてみよう。職務を遂行するためには、彼(彼女)は誰を知っておく必要があるだろう。そのマネジャーの仕事のプロセスを思い浮かべながら考えてみよう。彼(彼女)はある種の情報を誰から得る必要があり、逆に、誰に対して情報を与える必要があるだろう。組織の歴史も思い出してみよう。プロジェクトを前進させる方法や厄介な問題を解決する方法を誰がいつも知っていただろうか。

ネットワーク図を描く際には、ネットワークのメンバーの在職年数も考慮しよう。最も優れたネットワークはベテラン社員と比較的新しい社員をミックスしたものだと、ロブ・クロスとアンドルー・パーカーは、『The Hidden Power of Social Networks: Understanding How Work Really Gets Done in Organizations(社会的ネットワークの隠れた力:組織における実際の仕事の進め方を理解する)』(Harvard Business School Press, 2004)で説明している。なぜミックスかというと、新マネジャーに、ベテラン社員の知恵と新しい社員の新鮮な視点の両方の恩恵を受けさせるためだ。

また、新マネジャーとネットワーク・メンバーのミーティングのお膳立ても忘れないように。