(5)社会的な絆を利用して協働を促進
新規採用者が組織内に自分と同じ関心を持っている人がいることに気づいたら、彼らは仕事の面でもより効果的に協働することが多い。そのため、新マネジャーをネットワークのメンバーに紹介する際には、そのマネジャーについてのいくつかの個人情報──もちろん、本人が公表をいとわないもの──も、併せて伝えることを考えてみようと、ロラッグはアドバイスする。「そのマネジャーとは別の部署にいて、まったく関係のない仕事をしている人たちの関心をひきそうな、仕事以外の関心や趣味を強調しよう」。
サンフランシスコに本社を置くバイオテクノロジー会社、ジェネンテックは、あらゆるレベルの社員の交流を促進するために、部署横断的な「多様性グループ」──それぞれが特定の関心に的を絞ったグループ──を設けている。そして、新規採用者のための四半期ごとのネットワークづくり集会で、自分が関心を持つグループに最低一つは参加するよう勧めている。ジェネンテックの多様性グループで生まれた社交的絆は、仕事のうえでも貴重な協働を促してきた。たとえば、あるグループの参加者らが社内の別の部署で開発された革新的なメンタリング・プロセスの存在を知ったとき、彼らは各自の部署で同じプロセスを導入した。
自分が採用した頭のきれるマネジャーなら自力で人脈を築けるはずだ、と思い込みそうになったら、そのマネジャーがぶつかるであろう個々の障害を思い出そう。彼はやがては自分のネットワークを築く責任を自分で担うべきだし、担うようになるだろうが、あなたがそのプロセスを大幅に加速することができる。それによってあなたが得るものは、よりよい成果をより早く生み出すリーダー──そしてより早く独り立ちできるリーダーなのだ。
(翻訳=ディプロマット)