ホンダは2040年に四輪のEVとFCVの販売比率100%へ
2021年4月、ホンダの代表取締役社長に就任した三部敏宏氏は、「2050年に全ての企業活動におけるCO2排出量を実質ゼロにすることを宣言。2040年には四輪のEV(電気自動車)とFCV(燃料電池車)の販売比率を全世界で100%にすることを目指す」とスピーチした。注目すべきはEVとFCVに限定したことだ。
いわゆる電動化車両にはEVやFCVのほか、全世界に普及しているHV(ハイブリッド車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)が含まれるが、現時点(2022年7月末)でホンダが示す方針にはHVやPHEVは含まれない。
2040年まで18年と残された時間は少ない。三部社長が語ったホンダの方針を改めて確認すると、「先進国全体でのEV、FCVの販売比率を2030年に40%、2035年に80%、そして2040年には、グローバルで100%」とする3段階での導入プランが示されている。よくよくスピーチ内容を確認すれば、「~100%にすることを目指す」わけで、この先18年間の世界情勢から内燃機関の延命が正となれば、すぐさまそのプランにHVを加えるなど臨機応変なかじ取りができる準備は整っている、とも解釈できるが、これは筆者の深読みだろうか。
ホンダは、1999年に市販化した自社初のハイブリッド専用モデルである初代「インサイト」から、23年間コツコツとハイブリッド技術を昇華させてきた。シビックe:HEVはそのひとつの究極形であることを今回の試乗を通じて実感した。
2022年、50周年の迎えたシビックは、1.5Lターボ、今回のe:HEVに加えて、ホンダ生粋のスポーツグレード「タイプR」の3本柱で歴史に名を残すだろう。